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【小論文解答】:2019年/広島大学/歯学部/後期試験【1】

 私が進路を決める上で考慮する「ニーズ」は「歯科医師の社会における必要性」ということである。現在歯の健康や口腔衛生の向上は人々のQOLの向上に重要な役割を果たしている。予防歯学が普及し虫歯を持つ子どもは少なくなった。丈夫な歯できちんと咀嚼できることは元気で丈夫な体を作るとともに、「美しい歯」という外面的な印象の向上にも役立つ。また高齢者であっても「8020運動」などが示している通り、自分の歯で咀嚼できることが内臓の負担を和らげるとともに、いつまでも食べる喜びを味わえるという意味でのQOLの向上に大きく貢献している。さらにアルツハイマー型認知症と歯周病原因菌との関連も指摘されており、社会における歯科医師の必要性は今後さらに増加すると思われる。
そして「ウォント」はこれまで私の父が支えてきた「地域における歯科医療を通した貢献」を自分が引き継ぎたいと強く思っているということである。私の父は鹿児島の小さな田舎町で開業しているが、歯科が少ないせいか多くの患者がひっきりなしにやってくる。大半が高齢でありながら仕事を持ち、生き甲斐を感じながら暮らしている。父はそうした人々の健康と人生の充実に、歯科医療を通して貢献できていることに自分の生き甲斐を感じている、ということを私に何度も話してくれた。そして私もまたその生き甲斐を感じてみたい、と思っている。頼りにされる歯科医師となるために努力を重ねていきたい。(596字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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