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【小論文解答】:2020年/長崎大学/歯学部/後期

 目的達成志向型の研究は、研究対象が限定されているので達成までの道筋が見出しやすく、またその成果が治療法や器材および薬等の形で具体的に表れるため、特定の疾患を実際に克服するような形での医療の発展に必要な研究である。問題を細分化した方が対象が良く見えるし対処法も具体化しやすいのである。一方でこの型の研究は、その問題を引き起こしている別の要因を想像しにくく、目的を達成できないまま研究が滞った場合の突破口が見出しにくい。また同じ理由で、研究の結果として生み出した治療法や薬が、目的とする対象以外の部分への悪影響をもたらす恐れがある、という潜在的な問題点がある。
質問志向型の研究は、応用研究を成立させる前提もしくは未知の問題領域に対する指針を見出す作業としての性質上、医療の枠組み全体を大きく発展させるために必要な研究である。例えばアルツハイマー病を引き起こす原因は何か、という質問が「歯周病原因菌」との関連を発見させ、それを防ぐための目的達成志向型の研究へとつながる。一方でこの型の研究は、質問の方向性が合っていないとなかなか成果が出せず、費用対効果が低くなる可能性がある。また研究の結果見いだされた仕組みや構造に関する知見が、それを応用する研究を生み出す際に様々な倫理的問題を生み出す恐れがある、という潜在的な問題点がある。したがって、問題点は常に意識して研究を行うことが大切だ、と私は考える。(595字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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