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【小論文解答】:2020年/東北医科薬科大学/医学部/本試験/2日目

 個人の時代において個性を持つ人と調和して生きるためには、「相互理解」とそれを支えるための「コミュニケーション」が重要であると私は考える。例えば身体的もしくは精神的な「障がい」を1つの「個性」と考えた場合、そうした人々と調和して生きるということは社会における「ノーマライゼーション」を実現する、ということを意味する。その際単にインフラや制度が充実していたとしても、共存の相手である非障がい者が障がい者との「相互理解」を深めていなければ、非障がい者は障がい者のことを「厄介な存在」としか見做さないだろうし、障がい者は物理的・制度的な壁が消失しても「生きづらさ」は同じ、ということになる。「相互理解」があってこそ思いやりと感謝の循環が生じる。これは障がいを持つか否かに関わらず、人間一般が社会で快適に生きるための基本となる。
 こうした「相互理解」を深めるためには、その前提として相互の「コミュニケーション」の場が設けられていなければならない。単に知識としてではなく、現に存在する人間同士として「言葉」を伝え合い、聞き合うことで、相手に対する尊厳の気持ちが生じてくる。それが相手に対する思いやりの気持ちや振る舞いを生み出すのだと私は考える。私は将来医師として社会に貢献する強い気持ちがあるが、それを実現するためには患者との信頼関係構築、調和の構築のために「コミュニケーション」能力を磨いていきたいと思った。(595字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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