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 【小論文解答】:2020年/帝京大学/医学部/本試験

〔1日目〕
 がん治療後の88歳の男性患者にとって大事なことは、単にがんが治るということだけではなく、残された人生をQOLと尊厳を維持したまま生きられるかどうかであると私は考える。そのためには寝たきりにならないように体力を回復させ、日常生活に復帰できるためのリハビリテーションが治療プロセスの中に含まれていなければならない。また患者が治療を終えて自分の暮らしていた地域に戻り、これまで通りの生活を営むためには、介護関係者や行政関係者と緊密に多職種連携を行う必要がある。それぞれの職種が連絡を取り合い、協力し合いながら、患者が治療して良かったと思える人生を送っていけるためのサポートが医師に求められる、と私は考える。(298字)

〔2日目〕
 医師はAIを治療の正確さの向上と患者との信頼関係の構築のために活用すべきであると私は考える。例えば過去の治療データを集積してビッグデータ化し、AIによる問診システムを確立するとする。医師は問診のための時間を省略でき、患者と時間をかけて向き合えるようになる。その際AIの問診結果から導き出された疾患候補の中に医師自身が想定しなかったものがあれば、その疾患の有無を時間をかけて確認できる。つまりAIは医師の治療の正確さを向上させるのだ。またAI処理によって生じた時間のゆとりは、患者との深いコミュニケーションを可能にし、患者の言葉に耳を傾ける時間をもたらす。これが信頼関係の構築につながるのである。(298字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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