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【小論文解答】:2020年/日本医科大学/医学部/2月11日分

 これから日本は医療の地域格差を解消するためにも、医師を目指す学生を積極的に海外へと留学させることが重要である、と私は3つの図と表を見て考えた。まずⅠを見ると、日本人の海外留学者数は2004年をピークに大きく減少に転じていることがわかる。またⅡでは2006年と2016年の論文数世界ランキングが比較されており、そこでは世界的な論文増加の傾向の中、日本だけが減少に転じていることがわかる。この2つのデータを踏まえると、海外留学者数の減少が日本の研究の質の低下を招いているという推測が成り立つ。
 一方Ⅲを見ると、2008年から2014年の間に医師数は大都市医師圏と地方都市医師圏で著しく増加し、過疎地域医療圏で減少が目立つ。これは昨今の地方での医師不足の現状を如実に表している。ここで問題となるのは「医師の質の向上と地方の医師不足の解消の両立」つまり「質の高い医師にいかにして地方で働いてもらうか」ということだと思う。これを実現するためには、地域医療を重視する大学が積極的に海外での医学留学を推奨し、戻って来た医師が地方で医療に従事する際には国や自治体レベルで支援を行うという、大学と国や自治体との確固としたチーム体制が必要である。質の高い医師が地方で多く医療に従事するようになれば、医師の偏在問題は解決へと向かう。もちろん私もその一人として高い志を持って海外で学び、地方で貢献できる医師として生きていきたいと考える。(596字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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