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【小論文解答】:2020年/福岡歯科大学/歯学部/一般A(解説付き)

 私の考える公共における「型」とは、他者が見た時に気持ちよくなれるような人間としてのふるまい方のことである。この社会は他者との協力関係によって成り立っている。他者とは身の周りに居る人々だけではない。私の見知らぬところでも私と関係し、共に社会を形成している多くの人がいて、彼らと共に構成する社会のあり方が「公共」である。せっかく同じ時代に同じ世界を共有しているのだから、自分以外の他者が楽しく幸せになれるようなふるまいをしようとする気持ちのあり方が、身だしなみや所作、言葉づかいのあり方を自然に決めていく。つまり「型」は他者に対する「思いやり」の現れなのである。
 歯科医師にとって「型」の意識は非常に重要であると私は思う。歯科医師もまた患者と共に「公共」の場にいる以上、歯科医師は患者という「他者」に対して常に「思いやり」の気持ちを持って接する必要がある。そしてその気持ちは「型」として、身だしなみや所作、言葉づかいに現れていなければならない。身だしなみがきちんとしており、患者に対する所作や言葉づかいが丁寧であれば、患者は歯科医師のことを「公共」を構成する仲間として信頼し、良好な関係を築こうとする。そうした関係の構築が円滑な治療行為を実現するのだと私は考える。私も歯科医師を目指す者として、こうした「型」に対する意識を強く持って、日頃から自分の言葉や行動を気持ちのよいものにしていきたいと思う。(596字)

【解説】
■歯科医師としての資質を確認するための出題であると想定される。

■福岡歯科大学のアドミッション・ポリシーを確認すると、
1.入学目的が明確で、生命に対する適切な倫理観を持ち、入学後も生涯にわたり自己学習を 継続する意欲と情熱を有している。<関心・意欲・態度>
2.柔軟性と協調性を有し、周囲の人と良好な関係を保つことができる基本的なコミュニケー ション力を有している。<技能、思考・判断・表現>
3.基礎学力が体系的に身についており、大学入学後の学習に必要な学力を有している。 <知識・理解、技能、思考・判断・表現>
4.旺盛な知的好奇心と探究心を持ち、自ら問題を発見し、解決に取り組むことができる資質 を有している。<思考・判断・表現、関心・意欲・態度>
5.地域・社会への貢献を志し、奉仕する使命感を有している。<関心・意欲・態度>
6.医療を通じて国際活動を行う意欲を有している。<関心・意欲・態度>
の6つが挙げられているが、今回の論文はこのうちの2と5に関する資質を持っているかどうかが確認の対象になっているという印象である。

■課題文のテーマが【公共における「型」の重要性】となっているが、ここでは当然【「型」は歯科医師にとって必要な資質である】という前提で論を進めていくのが妥当である。論のポイントとしては、
  1⃣課題文の内容に基づいて「公共」を定義し、その中に「歯科医師と患者」が含まれていることを意識しているかどうか。
  2⃣「型」が「身だしなみや所作、言葉づかい」という仕方で「他者」である「患者」に提示されるものであることを理解しているかどうか。
が重視されていることを認識し、それらを踏まえた論述を行うことが重要だと考える。

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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