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【小論文解答】:2020年/獨協医科大学/医学部/本試験

〔問1〕
仕事においては一流を目指すべきであり、そのためには「一流」に触れ、何度も全身でぶつかっていくことが大切である。また環境に不満を言わず、よい結果を出すための知恵をめぐらし工夫を凝らすことが成長につながる。自身のプライドはお金を支払うお客さんが満足したとき、不満の塊だった相手がよき理解者に転じたときに保持すべきである。仕事は結果がすべてであり、結果に必要なアドバイスは誰のものでも耳を傾けるべきである。(200字)
〔問2〕
 プロとしてのプライドは自分の能力や技量に対してではなくお客さんの満足や理解に対して持つべきものなのだという筆者の主張を読んで私は大いに感銘を受けた。筆者の述べている事柄の一つ一つが、医師という職業においても全く当てはまると私は思う。医師の使命は患者の生命を守り幸福に貢献することにある。医師としてのプライドは高い技術や幅広い知識にあるのではなく、患者を救った、あるいは患者が医師の治療に納得・満足してくれたという「結果」に対して持つものだ、ということを私は筆者に教えてもらった。
また文中で引用されている「悪しき主人に仕えたら勉強になる」という松下幸之助氏の言葉も、私の安逸を望む気持ちに喝を入れてくれた。私は自分に不都合なことがあると環境のせいにしがちであったが、大切なのは知恵と工夫で今ある環境を自分にとって良いものに変えていくことだったのだ。この教えを忘れずに自分を鍛え続けていこうと思った。
 最後に、私はこの文章で最善の治療は「患者のアドバイス」によって得られるものではないか、という示唆を得た。患者の身体のことは、実は医師ではなく患者が一番よく知っているかもしれない。また治療の主体たる患者の価値観や人生観が、治療のためのヒントを与えてくれるかもしれない。そうした意識をしっかりと持って患者の言葉に耳を傾け、結果のために尽力するのが医師の持つべき「プロとしてのプライド」と私は考えた。(595字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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