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【小論文解答】:2020年/岩手医科大学/医学部/本試験

 患者とのコミュニケーションにおいて気をつけるべきことは、患者の意思決定の自由を損なわないような客観性を持った情報提供を行うようにすることだと私は考える。本文では重い心臓病にかかった「わたし」に対して、主治医がネガティブなフレームとポジティブなフレームとで同じ手術の成功率を伝えた際の印象と行動選択の違いについて述べられているが、私はネガティブにせよポジティブにせよ、どちらかのフレームのみで情報を伝えること自体が適切ではないと思う。なぜならこうしたフレーミング効果は患者に対する一種の印象操作となり、患者自身の自己決定に医師が干渉したことになるからである。医師は自分の発言が患者に影響を与えることをきちんと自覚し、不用意に自己の願望へと患者を誘導しないよう、発言には十分な注意を払ってコミュニケーションすべきである。
 今回のケースなら、主治医は手術を行うことのメリットとデメリットの両方を伝え、患者が自己決定権を適切に行使できる状況を作り出す必要がある。その上で、患者が自己決定を行う過程で生じる疑問や不安に対して客観性の高い形で補足情報を提供することが望ましいと思う。特に今回のような生存にリスクの生じるような手術をするかどうかは、患者個人の人生観や価値観に基づく判断が重要となる。医師はその判断に干渉せず患者の冷静で客観的な判断を支えるようなコミュニケーションを心がけるべきだ、と私は考える。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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