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【小論文解答】:2020年/昭和大学/医学部/2月1日分

 クロイツフェルト・ヤコブ病等のプリオン病に関して新血液型KANNO(-)が原因として確定されたことは、医療の進歩における医療研究の重要性を示唆していると私は考える。医療は研究と臨床とが相補的に結び付くことで患者に幸福をもたらすものとして機能する。その意味で研究医も個々の患者の健康と幸福への意識を強く持つ必要があるし、臨床医も研究に対する強い関心を維持して自己の知見を更新することが大切なのである。
 私は将来地域の臨床医として、高齢者への医療に取り組みたいと考えている。私が医学生や医師になった際に行いたいと考えている研究は「アルツハイマー型認知症」の原因および治療法に関するものである。今年、歯周病原因菌であるジンジバリス菌を慢性投与されたマウスの脳内にアミロイドβが取り込まれることが突き止められ、これがアルツハイマー型認知症の原因であることが想定された。それは私にとって大きな衝撃だった。
 私が興味を持っているのは、歯周病の予防と治療がアルツハイマー型認知症にどれほど関与するのか、そして歯周病菌以外の要因があるとすればそれは何なのか、ということである。認知症は高齢者にとって、生命や健康のみならず「人間らしい生き方」「人格としての尊厳」を大いに損なう。認知症に対する予防や治療の可能性が広がることで臨床医としての私の役割や貢献の度合いも大きくなる。意欲と使命感を持って研究に取り組みたい。(594字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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