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【小論文解答】:2020年/昭和大学/医学部/2月2日分

(※これは日本でコロナウィルスが蔓延する以前の出題である。従って私の解答は現時点での状況を考慮から外している。)

 新型コロナウィルスの影響下において、現地で孤立している各国の患者に対しては、国家間の相互協力・連携に基づいて、自国内における外国人も治療の対象とするようなシステムを構築する必要がある、と私は考える。まず目の前に治療が必要な患者がいる場合、それが誰であっても受け入れなければならない、というのが医療の大原則である。自国民であろうとなかろうと、道徳的にはみな平等に治療を行うべきである。固有ジェット機で帰国させることは、患者自身にとっても受け入れる側の国民にとってもリスクが高い。
 もちろん、国によっては自国で新型コロナウィルス肺炎に対応できるだけの財政がない、もしくは医療が整っていないところもある。しかし今回の新型コロナウィルス肺炎に関しては、その影響が人類全体に及ぶものである以上、先進国・途上国の格差を埋める形での医療技術や医療設備、薬剤等の共有が必要だし、人材面でも先進国が積極的に途上国に医療スタッフを派遣して途上国のサポートを行う形で、医療の平等性を図るのが望ましい。
 今回の事態は、患者を移動させるのではなく、医療そのものを移動させるというやり方で解決を図ることが本来的な医療のあり方であると私は考える。全世界が1つの「チーム」として協力しながら対応していくことで、新型コロナウィルス肺炎はようやく終息に向かうはずである。将来その一員となれるように、私もまた努力していかねばならない。(594字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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