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【小論文解答】:「失敗から学ぶ」ことの意味とは?(2020年/関西医科大学/医学部/本試験)

 私はこの言葉を「失敗から学べる人間は、必ず成功に辿り着く」という意味に受け取った。エジソンの「うまくいかない1万通りの方法を発見した」という言い方は、一見すると失敗というネガティブな事柄を方法の発見というポジティブなイメージに置き換えることで肯定的に捉えることが大事であると伝えているように思える。だがそれだけでは単に「失敗していない」言い張っているだけだとも捉えられる。医療の失敗は、時に患者に甚大な健康被害や死をもたらす。それを失敗ではないと前向きに捉えたところで、亡くなった人の命は戻らないし、医療や医療人に対する人々の信用を得られるわけでもない。
  人間は不完全な存在である以上、失敗は必ずついてまわる。医師であっても同じことである。重要なのは、ひとつひとつの失敗をきちんと反省・分析し、問題点を洗い出し、成功へ至る道筋を見出すことである。「1万通り」はあくまでも比喩であり、失敗は少ないに越したことはない。失敗を肯定的に捉えるというのは「失敗を大切にして、そこからできる限り成功へとつながる多くのヒントを得る」ことであり、その気持ちを持って失敗に向き合う人間は必ず成功する、と私は考える。(495字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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