【用語解説】:「サルコペニア」と「フレイル」
■「サルコペニア」について。
〇「サルコペニア」とは?
①「サルコ」=筋肉/「ペニア」=喪失 →いずれもギリシア語で、合わせて
「筋肉喪失」となる。筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態を指す。
②原因は「加齢」「活動量の低下」「諸疾患」「栄養不足」など。
③「サルコペニア」の指標としては、
ⓐ体格指数(BMI)が18.5未満(ただし肥満でも起こる)。
ⓑ横断歩道を時間内に渡り切れない。
ⓒペットボトルやビンのふたが開けにくい。
ⓓ嚥下(食べ物の飲み込み能力)が低下する、などがある。
■「フレイル」について。
〇「フレイル」とは?
①「Frailty(虚弱)」の日本語訳。
②健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態。
「心身両面での機能低下」であることがポイント。
■「サルコペニア」「フレイル」/「健康寿命」「平均寿命」の関係。
〇「サルコペニア」と「フレイル」の関係とは?
①「サルコペニア」は「フレイル」の過程を構成する要因のひとつ。
②具体的には「サルコペニア(筋肉喪失)」→「筋力低下・疲労増加・活力減退」
→「身体機能低下・活動減少」→「食欲低下・食事摂取量低下・栄養不足」→
「サルコペニアの進行」 というプロセスを経て、「健康」な状態から「要介護・
寝たきり」の状態へと移行する。このプロセス全体が「フレイル」である。
■「サルコペニア」「フレイル」と「予防医学」
〇「予防医学」的な見地から言えることは?
①「健康寿命」の伸長という点において、「フレイル」の防止は必須である。
ということは、その過程を構成する要因の一つである「サルコペニア」の防止も当然
重要である。高齢化が進む日本では医療費の削減や生産人口層の増加にも効果大である。
②持病をコントロールしながら運動を習慣化し、きちんと食事をとる。筋肉の構成要素と
しての「栄養摂取」、運動による「筋肉量の維持・増加」がセットになることで、自立
した生活を維持し、心身両面でのQOLを向上させるために、自分(医師)に何ができる
のか、ということを常に考えることが大事なのだ、ということを理解する。
- 関連記事
-
コメント