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【小論文解答】:2009年/岩手医科大学/医学部/本試験

 医師の少ない地域の人々にとって、医師はただ存在するだけでも心強い。その意味で地域住民にとって医師は「そこにいるだけでいい」と言える。いざ病気や怪我になった時、近くに支えてくれる医師が居るのと居ないのとでは、生活に対する不安の度合いが大きく違う。医師は地域の身体的支柱であると同時に、精神的な支柱でもあるのだと私は考える。
 だが医師自身にとっては、地域住民が考えるような意味での「そこにいるだけでいい」だけでは、本当に地域医療に貢献したことにはならない。「私は何をしたらいいのでしょう」という将棋面氏の発言は、自分が医師として本当に地域に役立っているのかという不安から発せられたのだと私は思う。相手のために本当に役にたつためには相手をよく知らなければならない。それが「まずよく見る」ことである。そのよく見ることを支える問題意識は、自分がその地域に生きる一人の人間として、地域の他の住民と同じ視点に立った時に発生するのである。自分もまた地域住民の一人であるという自覚が「自分は田野畑にいればいい」という言葉によってあらわされており、そうした言葉を発している時点で、将棋面氏は既に地域住民に信頼される良い医師であるに違いないと、私には思われるのである。
 そういう医師であるからこそ、地域住民は「そこにいるだけでいい」と思ってくれるのだ。私を含め、地域の医師を目指す者はこうした当事者意識を重視すべきなのだと思う。(596字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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