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【小論文解答】:2019年/自治医科大学/医学部/本試験/Ⅰ

 人生や自然の不条理を乗り越えるためには、それを笑い飛ばすユーモアが必要である、というのがこの文章における筆者の意見である。しかし私は、ユーモアが成立するためには、ユーモアを発する側とそれを受け取る側との間に「価値観の共有」がなければならないと思っている。例えば家族も家財も失って意気消沈している人の中には「今の悲しみを静かに受け止めて、しばらくの間浸っていたい」と思う人もいるだろう。それに対して「笑い飛ばして前向きに生きよう、私はそうする」と言ってにぎやかに騒ぐ人がいれば、意気消沈している人は明るくなるどころか、ますます傷つき、相手を憎むようになるだろう。
 人と人との関係の根底には「相手への思いやり」がなければならない。それは基本的には「相手の価値観に寄り添う」ということを意味する。相手が今どのような気持ちなのかを考え、耳を傾け、その人が慰めて欲しいのであれば慰め、そっとしておいて欲しいのであればそっとしておく。騒ぎたいのであれば一緒に騒ぐ。大切なのは「相手の価値観に寄り添い、合わせていく」ということである。その点を忘れ、自分の価値観を押し付けても相手は嬉しくないだろう、と私は考える。(497字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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