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福岡大学医学部小論文について

 長年小論文を課してこなかったが、2005年から受験科目として小論文を導入した。以後、テーマ型、資料分析型、課題文型と、問う小論文の型も迷走を続け、また字数も無制限、400字、600字、と一定していない。時間は最初は40分であったが、最近では60分が続いている。なぜ福岡大学の小論文がこんなにグダグダなのかについては、いくつかの理由がある。
 まず、福岡大学医学部の小論文が「小論文」としては全く重視されていない、ということが挙げられる。福岡大学では一次試験の時に小論文を書かせ、それを二次試験の際に得点として考慮するシステムをとっている。つまり一次試験不合格者の小論文は最初から見てもらえない。次に福岡大学の二次試験では、小論文と面接(実質ディベート)とで50点の得点が与えられるが、あくまでも得点のメインは面接であって、小論文はせいぜい10点、多く見積もっても15点分にしかならない筈である。そしてこれは受験担当者と話をした知り合いからの又聞きであるが、福岡大学では小論文を「国語」という観点から捉えている。つまり字がきれいであること、きちんとした日本語が書けていること、論文の筋が通っていること、等が採点の基準であって、医療人としての資質を持っているか、とか、文章内容が高度であるかどうか、といったことはあまり問題にしていない。よって内容のレベルの上下に関しては、得点に換算すれば3~5点のアップにしかならないのである。逆に字が汚いと、その時点で0点なので(つまり「見ません」と担当者は言っていた)注意が必要である。
 入試制度の改革を行う場合、通常は大学の入試課、といった職員主導型で行うのであるが、福岡大学の場合は「教授会」が大きな力を持っていたため、教授会主導で行われた。だから改革初年度はいつまで経っても入試日程も決まらなければ科目の詳細も決まらない、といった異常事態が発生した。だから突然、これまでの慣行が覆される可能性は、今後も生じるのである。
 小論文に関して言えば、作成担当者は数年ごとの「持ち回り制」になっていて、内容はすべて「担当者に丸投げ」である。だから担当者がテーマ型を出したかったらテーマ型、課題文を読ませたかったら課題文型、という形になっているので、当然一貫性がないのである。
 ただし、医師国家試験合格率が私立大学最低を記録したこともあり、大学側では出来るだけ優秀な人材を集めたい、という動きが出てきている。学科試験のレベルアップとともに、小論文・面接の比重を今後上げてくる可能性もある。
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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