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【小論文解答】:「普通である」と「普通でない」の大切さ(2019年/関西医科大学/医学部/本試験)

 臨床医を志す者にとって同年齢の「普通の」学生と同様に振る舞い同じ気持ちになることと異なる行動や考え方をすることはどちらも必要だと私は考える。臨床医の相手は生身の患者であり、患者とは病気や怪我をして病院にやってくる「普通の」人に他ならない。患者の心情や社会背景は多様であり、そうした多様な「他者」を理解するためには、学生の頃から「普通の」学生と同様に振る舞い、同じ気持ちになることがとても大切である。 
 一方で、臨床医は人々の健康や生命に直接関与するという重い使命と責任とを持っている。生死やQOLを左右するのは高度な手術だけではなく、日頃の診療・治療活動の積み重ねも同様である。臨床医を志す者はそうした点を十分に自覚し、自分に対しては同年代の人とは異なる研鑽のための努力を課さねばならないと思う。学業をはじめ、日常生活の一つ一つのことに対して、高い自負と倫理観を持って振る舞うことで良い臨床医となる。 
 よってこれら二つの考えは「相反する」のではなく同根の二つの条件として自分の大学生活において両立することが求められるのである。「仁」の精神と高い職業意識を持つ臨床医は、そうやって生まれるのだと私は思う。(496字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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