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 【小論文解答】:2019年/久留米大学/医学部/予想問題(2)

【問題】
「国手の理想は常に仁なり」とは久留米大学医学部の前身である九州医学専門学校の校歌の一節である。「国手」とは医師の敬称である。また「仁」とは「他人に対する慈しみの情や思いやり」を意味し、まわりの全てのものに心を配り、全体がより良くなるよう努力することとされる。上記の文を踏まえ、君が「地域社会」で医師として地域の人々とどのように関わっていくべきか、そしてそのために君はこれからどのような生き方を行っていくべきか、思うところを述べよ。(60分/800字)
【解答】
 私は「地域社会」で医師として、地域の人々の人生の幸福に寄り添い貢献できる存在として関わって行くべきだと考える。「地域社会」で医師を行うということは、その地域に根付き、地域の人々と長期的に関わっていくということを意味する。子どもが大きくなり、社会で活躍し、高齢となり、一生を終える。その全てに関われるわけではないが、医師は人生の場面場面で患者と顔を見合わせながら、頼りになる大人として、仲間として、後輩として、医療行為を通して長い付き合いを行うのである。そこで重視されるのは、課題文に示された「仁」の考えであろう。他人に対する慈しみの情や思いやりの心を持って、父親や母親のように子どもを慈しみ、友人のように働き盛りの同世代を気遣い、息子や娘のように高齢者の暮らしを見守る。彼らが健康に暮らせるように知識を蓄え、技量を磨き、啓発活動を行い、コ・メディカルの人々とチームを組んで在宅医療の充実を図る。その積み重ねが「地域社会」全体の健康と幸福に貢献することを意味するのだ、と私は考える。
 そしてそのために私はこれから、学校や書籍を通した学習だけでなく、地域社会の現状を肌で感じるような「生の経験」を積んでいく必要があると思う。色々な所に出かけて、色々な人と、色々な話をする。そこで得られるのは、みんな自分の固有の人生を一生懸命生きている、という実感である。そういう人生を抱えた人が、患者として自分の所にやってくる。私は医師として患者を診るとき、その背後に彼らの人生や生活を感じながら、彼らの要望に耳を傾け、病気やけがを治すための最善の選択をその都度行っていくことになる。そしてそれでこそ、地域の人々にとって本当に「頼りになる」医師として認められるのだと私は思う。医師が人生の幸福に貢献するための職業であることを肝に銘じ、できる限り外に出て、色々な人に関わって慈しみや思いやりの気持ちを育てていきたい。(794字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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