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【小論文解答】:2019年/産業医科大学/医学部/本試験/〔2〕

 「喫煙率」と「肺がん発生率」の間の因果関係を検討するためには、まず「非喫煙者」と「肺がん発生率」との相関関係との比較のもとに「喫煙率」と「肺がん発生率」との相関関係の高さを確認する必要がある。また同時に「コントロール実験」を行い、「喫煙率」以外の項目を設定して、それと「肺がん発生率」との間の相関関係の有無を確認し、相関性が認められればその項目の「肺がん発生率」への影響と「喫煙率」の「肺がん発生率」への影響とを比較することが必要である。そして影響の度合いが同程度であれば「複合要因」による肺がん発生の可能性を想定し、「喫煙率」の相関性が他の項目と比較して有意に大きいと認められれば「因果関係」を想定する、という形で検討を行うことが良いと思う。
 またその際には、「喫煙率」と「肺がん発生率」のどちらが「原因」でどちらが「結果」となりうるのか、それとも相乗的な関係なのか、それを確定するための新たなデータを探しながら詳細に検討する。さらに「喫煙」と「肺がん発生」の両項に影響を与えている「第三項」が存在する可能性を想定しながら、相関関係を因果関係へと確定していくための様々な検証作業を行うことが重要だと考える。(496字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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