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【小論文解答】:2019年/昭和大学/医学部/2月3日分

 ゲノム研究は厳しい倫理的制約の下に積極的に進めていく必要がある、と私は考える。ゲノム編集技術はこれからの医療問題・食料問題の解決や進歩に大きな役割を果たす。例えば母子間のHIVによる血液感染を防ぐため、受精卵の遺伝子を改変して血液感染をしない赤ん坊を作り出すことができれば、HIVのために出産を諦めていた家族に大きな幸福を生み出すことになる。そればかりではなく、病害虫や感染症に強い作物や家畜をゲノム編集技術で作り出すことで、多くの人々が飢えから救われ、また作物農家や畜産農家は生活の不安から解放される。その意味でゲノム編集技術は人類の未来に不可欠である。
 しかし倫理的な制約存在しない場合、編集結果の検証が不十分な農作物や家畜を不用意に量産し、既存の生態系や食料として摂取する人体に大きな悪影響を及ぼすこともある。また人体についても、優生思想に基づいたいわゆる「超人」を生み出すことも可能である。そうした人間が既存の人間社会にどれほどの悪影響を及ぼすかは想像もつかない。さらにこうした発想は、障害者に対する不当な差別的思想を生み出す恐れもある。こういった点に関する厳密かつ広範な議論の下で、しかるべき規制のための法律を作り、それを厳守するというモラルとシステムをきちんと構築することが、ゲノム編集技術の活用には絶対に必要であろう。私も将来の医療の当事者として、この問題をしっかりと考えていきたい。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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