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【小論文解答】:2018年:在宅医療のあり方:長崎大学/医学部/前期/Ⅱ/改

 図1と図2を見ると、日本では現在死亡場所の約8割が病院で、自宅は1割強しかないが、他国に比べ代替施設が極端に少ないことがわかる。また図3と図4を見ると、高齢者の半数以上が自宅での最後を望んでいるが、家族の負担・医師の不在・病変時の不安・看護や介護体制の不備を理由に在宅死を避ける傾向にあることがわかる。こうした背景が図1のような現象を生み、図2が図4にある問題の解決の困難さを証明している形である。
 こうした情報を踏まえて、日本の終末期に関わる課題として、私は「在宅で最後を迎えるためのサポート体制の構築」と「自宅でなくても病気の急変に対応できる代替施設の充実」の2つを挙げる。最初の課題については、地域医療特に在宅でのターミナルケアに対応できる医療連携の構築や、コ・メディカルとの協力体制の構築が具体的な中身となる。また2番目の課題については、病変時のサポートとQOLを維持できる、つまり安心して最後を迎えられるケア付きの施設を、比較的安価で利用できるシステムの構築が具体的な中身となる。しかし現在、こうした対策を実現できるために必要な医師や看護師、介護士の数が絶対的に不足していることから、課題の解決は非常に困難であることが予想される。大きな視野で考えればこの医療・介護関係者の絶対数の増加、医師不足の解消が急務となるが、そのためには国民全体が現状を理解し、協力することも大切だと私は考える。(596字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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