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【小論文解答】:2018年/国際医療福祉大学/医学部/本試験

 少子化の原因である晩婚化や平均出生児数の低下は、女性の社会進出により育児の時間の確保が困難になったこと、また不景気の長期化と育児・教育費用の高騰により、共働きでもそのための費用が賄えなくなったことが背景にあると私は思う。もともと女性の社会進出の基準がこれまで育児を行ってこなかった男性と同じものである以上、女性が社会の中で自己実現を果たそうとすれば、必然的に育児の時間が確保できなくなる。そうした状態を放置し、適切な対策を取り切れなかったことが今日の少子化につながっているのだ。
 しかし少子化とはそのまま生産年齢人口の減少を意味し、それは国力そのものを低下させるという深刻な事態を招く。そうならないために現在働いている人々のワークライフバランスを改善していくことが重要となる。まず「家事や育児は共同作業」という認識を社会全体が持つ必要がある。次に労働の効率化・省時間化による家事・育児の時間の確保が求められる。加えて育児や教育に必要な費用に対して積極的な助成を行い、負担を軽減させることも重要である。また共働きでも育児ができるように、託児所や保育園といったインフラ、スタッフの充実も図るべきである。その際、育児経験のある高齢者が元気であれば、育児サポートの要員として積極的に関与してもらえる余地が生じる。少子化を克服するキーパーソンは健康な高齢者であり、医療もそのために貢献できる、と私は考える。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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