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【小論文解答】:2018年/日本医科大学/医学部/2月2日分

 私の考える理想的な教育とは、自分のために必要な知識や発想を自分の力で学習・吸収できるアクティブで柔軟性に富んだ思考力を身につけられるような教育である。これまでの日本の義務教育は、知識と発想力を対極的なものとして捉え、どちらかを重視することがどちらかを軽視することであるような教育を目指してきた点が問題であると思う。しかし人生に必要な思考とは、知識と発想を車の両輪としてその都度その都度の問題を理解・対処・解決していくような思考である。潤沢な知識があってこそ柔軟な発想が可能であるし、柔軟な発想があってこそ潤沢な知識が活かされる。両者を自発的に結びつけるような知的自発性や思考力を育てるには、問題解決型の教育が最も適切ではないか、と私は思う。
 そしてこうした教育は優秀な医療人を育成するためにも重要である。同じ病気であっても患者の状況によって対処の仕方はそれぞれ違うし、解決困難な問題に直面することもある。その時に状況を把握しつつ、必要な知識と発想を自在に駆使することができれば、適切な対処を行うことができる。もちろん、実際に医師となってからも場数を踏むことでそうした能力は身につくと思うが、義務教育の段階からそうした教育を行えば、本人にとっても社会にとっても得るものが大きいのではないかと私は思う。これは医師に限ったことではなく、他の職業や社会活動においても大きな意味を持つことである、と私は考える。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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