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【小論文解答】:2018年/日本医科大学/医学部/2月1日分

 この絵画は、手前になだらかな坂道が続く丘陵を描いたものであると推測する。道の左側は上に向かって傾斜し、右側は下に向かって傾斜していることから、頂上近い山の中腹の道であると考えられる。道の先には山があり、道は視界の先で右に折れ曲がって続いているのがかすかに見える。私はこの絵画が、目標に到達するためにはまっすぐ進むだけでは不十分で、時には回り道をすることも大切だ、ということ私に伝えていると感じた。
 たとえ目的が頂上に上ることであっても、そこに至るまでには様々なルートがある。最短距離だけが正解ではない。そういったことは、勉強においても人生においても当てはまると私は思う。遠回りをすることで気付くこともあるし、その気付きがあったからこそ、頂上に上った時に見える景色も違ってくることがある。複数の人間で何かを進める場合はなおさらそうである。前ばかり見ないで横の方も見てごらん、と絵画は言っているようだ。
 思えば医療の在り方も、この道と同じようなものかもしれない。問題にぶつかったときに、前しか見えていなければ行き止まりに思える。しかし横に目を向ければ、かすかに解決への道が開けていることもある。そのヒントに気付くのは、誰かのアドバイスであったり、患者の言葉であったり、様々だと思う。気付くための心のゆとりと視野の広さがそれを可能にする。この絵画はそうした人生のヒントを私に教えてくれたのだ、と私は思う。(594字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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