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【小論文解答】:2018年/川崎医科大学/医学部/本試験

〔問1〕
 近い将来に直面する課題とは、急激に進む高齢化とそれに伴う様々な問題をどうするか、という課題である。具体的には高齢者の健康・福祉を支える医療・介護人員の深刻な不足、医療費の増加による財源の深刻な不足、高齢者のQOLを維持・向上させるために必要な技術やシステム・施設等の不足、高齢者が社会の一員として他者と共存するために必要なノーマライゼーションのためのテクノロジーの不足などを克服することが求められている。(199字)
〔問2〕
 私は「医」を志す人間として、高齢者を含めたすべての人々がなるだけ健康な状態で共存できるような「未来社会」になったらよいと考える。問1でも言及したが、日本で近い未来に深刻な問題を引き起こす高齢化は、単に高齢者のみならず他の世代に対しても大きな問題を引き起こす。そうした問題の解決の一助として医療の分野、介護の分野、福祉の分野、および社会の分野でサイバニクスが高齢者の生命や生活を支えてくれることは人々を幸福にし、社会を活性化させるという点で非常に大きな意味を持っていると私は思う。
 現在医療・介護の分野で進められている介護サポートのためのロボット、AIを用いた遠隔医療、サルコべニア予防やリハビリ促進のためのトレーニングシステムなどは、高齢者がいつまでも元気で、かつ自分の住み慣れた場所で、人々と関わりながら積極的に意味のある人生を送るために大きな役割を果たす。医療関係者は、そうしたサイバニクスの意義をよく理解し、それらを「チーム医療」「チーム介護」のための一員として受け入れ、協力しながら高齢者を支えるという意識を持って医療や介護に取り組むことが必要となる。
 サイバニクスは、人の力ではもはや維持できない人間同士の絆をテクノロジーの力で維持・発展させていく試みであり、医療にも大きな影響を及ぼす。私もこうした力を借りながら、みんなが今以上に笑って生きられる未来社会に医師として貢献したい、と考えた。(594字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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