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【小論文解答】:2018年/昭和大学/医学部/2月4日分

 この文章は、相手の幸せを願って見返りを期待することなく誠心誠意相手のために全力を尽くすことが「愛するということ」だ、と言っているのだと私は解釈する。ここでの「愛」とは言ってみれば「信頼」のようなもので、自分が相手を信頼しても裏切られることはあるが、そうしたリスクを乗り越えてまずは自分から相手に尽くすことが信頼関係の構築には重要なのだ、ということ示しているように思える。これは医療行為においても必要な信念で、患者からの信頼を得たかったら、まずは医師自身が患者を信じ、誠心誠意患者のために尽くすことが大事なのだと思う。その心構えや行為が患者の心を動かし、今度は医師の思いに応えるかのように自分の振舞いを改める。それが「愛」の力だと私は考える。
 そして「愛するという技術」とは「心を生み出すためにはまずは構えが必要である」ということを述べているのだと私は理解する。相手に思いを伝えるにしても、相手のために振舞うにしても、それにふさわしい「作法・手順」がある。適切な状況判断のもとに、適切な言葉と振舞いとで接することで、ようやく自分の思いは伝わる。むしろそうした判断や言葉や振舞いについての「技術」をきちんと用いることで、「愛する」ということの意味が分かる、という側面もあるはずである。信頼関係の構築には、それにふさわしい言動や所作の技術が大事で、所作が気持ちを作る。私はこのことを肝に銘じていきたいと思う。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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