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【小論文解答】:2018年/昭和大学/医学部/2月3日分

 医師の長時間労働を改善するには、女性医師が十分に働ける医療環境を構築することが急務であると私は考える。医師の長時間労働の原因は深刻な医師不足にあり、少ない医師が多くの患者を診察・治療するという「数の不均衡」と「応召義務」により、過労死ラインを超える労働をせざるを得ない状況に陥っている。そしてこうした過酷な職場環境が、女性医師の仕事と家庭の両立可能性を奪い、医業から離れる原因ともなっている。これまでの医師の就業体制をワークライフバランスのとれたものへと変更し、女性医師が医業を継続できるシステムを確立することで、医師不足による長時間労働の負担は軽減できるはずである。もちろんそのためには託児所の設置といったこと以外にも、他の男性医師や女性医師の協力が欠かせない。それを含めての「チーム医療」だという発想が大事である。
 またそれ以外にも「応召義務の集約化」ということも重要なのではないか、と私は思う。現在「応召義務」は全ての医師に適用されているが、これを曜日や時間に応じて特定の医師に振り分けることで「いつでも応じなければならない」という制約から解放するのである。もちろん、人手の足りない現状や、かかりつけ医の少ない地域などでは難しいかもしれないが、現状の負担を少しでも軽減する、という点から考えれば有効なのではないかと思う。そのための「医師同士の連携」は今後ますます必要になってくる、と私は考える。(598字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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