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【小論文解答】:2018年/自治医科大学/医学部/本試験/2

 「延命のみの治療は止めた方がいいだろう」という出題文の主旨に対しては、二つの点から反論が可能であると思われる。一つは自己の生に対する意思決定権は本人にあり、かつ多様である、ということである。最期は余計な延命をせずに自然に死にたいというのも一つの選択であれば、どんな状態であっても一瞬でも長く生きたいというのも一つの選択である。延命装置で命を維持している患者を「死ねない」と判断するのは、第三者の思い込みに過ぎない。患者の最期をどうサポートするかについては、まず本人の意思確認ができるなら本人の意思に即して行うべきであるし、意思が確認できない場合には本人が「延命を望んでいる」という意思を持つ可能性を排除せず、延命を行うことは妥当だと思う。
 二つ目は医療人の使命は患者の生命を保つことにある、ということである。患者に対する「人形」といった形容は物言わぬ患者を「生ける屍」のように考えていることの表れである。そのような患者であっても、医療の側がその尊厳を十分に理解し丁重に接することによって家族の側の意識が変わることもある。むしろ医療の側の努力によって新しい「延命」の姿を見出すことが大事だと考える。(496字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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