FC2ブログ

【小論文解答】:2018年/自治医科大学/医学部/本試験/1

 筆者はヨハネパウロ二世が父母の墓を訪れた際、周りの人が死んだ両親との無言の語らいをするために彼を一人きりにするといった配慮もせず、私欲やお節介によって彼の個人的な思いを台無しにしたことを強く批判しているが、私もその意見に全く賛成である。
 たとえ亡くなっているとしても、自分の肉親との語らいに必要なのは誰にも邪魔されない時間と空間であると思う。周りに誰もいないことで人はようやく地位や役割を離れ「ただの子」として両親と親密な時間を過ごすことができるのだと私は思う。それはまた、語る当人にとっても「本当の自分」と向き合う貴重な時間である。教皇も、もし誰もいなかったら一人でしみじみ泣きたかったのかもしれない。自分の老いや病気について、子が親に甘えるように嘆き訴えたかったかもしれない。しかし周りの人々が彼に「教皇」であることを強要する。そうした自覚も配慮もない地元の人々の無神経さを、私は残念に思う。
 医療の世界でも、特に終末期においてはそうした配慮は重要である。命を長らえる努力は確かに意味がある。しかし意識のあるうちに今まで関わってきた人と親密な時間を過ごすことの価値も忘れてはならないと考える。(495字)
関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

カテゴリ

FC2カウンター