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【小論文解答】:2017年/杏林大学/医学部/センター/2月11 日分

 「働くこと」の意義とは、まず何より「自己の生活を成り立たせるための金銭を手に入れる」ということにある。現在人は働かずに金銭を手に入れる手段を基本的に持っていない。衣食住を成立させたり、人生を充実させるためのすべての活動において金銭は必須である。その金銭を手に入れることが「働くこと」の意義であることは間違いないのである。
 さらに「働くこと」には、「自己の人生の生きがいを手に入れる」という意義がある。人は他者との関係の中で、他者のために役に立つ行為を通して他者から承認を得る、という形で自己の存在意義を確認する。例えば医師という仕事は、自己の知識と技術で他者の生命と健康を守る、という「働き」を通して他者の役に立ち、役に立つことを通して他者から「かけがえのない人」「必要な人」という形で承認を得る。それが「医師」としての私の存在意義となるのである。これらのことから、「働くこと」には自己の金銭的充足、自己の精神的充足、そして他者の幸福への貢献という三つの意義がある、と結論付けられる。
 しかし、こうした三つの意義を「働くこと」が十分にもたらすためには、働く人間が知識・技術面においても、人間性の面においても、高いレベルでなければならない。本当に人の役に立つためにはいろいろなことを知っておく必要があるし、人の幸福を自分の幸福と考えられるような献身性・共感性の高い人格が求められるからである。他者を大切に思う心を忘れず、他者の役に立つように努力する。それは決して難しいことではない。「働くこと」の意義をきちんと理解しているならむしろ積極的にそうありたいと望む筈である。
 私は「医師」になるために勉強している。したがって「自己の人生の生きがい」とは「医師としての自己の人生の生きがい」に他ならない。自分が医師で良かったと思えるように、そして他者に思ってもらえるように、一生懸命働くための準備をしておくつもりである。(792字)

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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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