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金沢医科大学医学部小論文の特徴(2022年改訂)

 以前は資料分析型の小論文を課していたが、或る年を境に「要約」を要求するようになった。そして2020年度より「要約+論理的考察を伴う意見論述」へと変更が加えられた。解答時間はこれまで通りの60分であるが、総記述量は300字から400字へと増加した。

 これらの変更により、金沢医科大学の小論文は2つの意味で「難化」したことになる。1つは要約字数の減少。課題文の量自体は依然と変わらない状態で要約字数が減少すると、必然的に要約が難化する。要約の仕方については以前まとめたものを最後に再掲しておくが、要約字数が減ると「どの部分が必要でどの部分が不必要な内容か?」に対する以前よりシビアな取捨選択が必要となる。必然的に思考時間が長くなり、300字の時よりも作業量と作業時間が増大するのである。
 
 2つ目は論理的思考と意見論述の添加。特に「論理的思考」については、他の私立大学医学部よりも重視しているという印象である。これは課題文で「図や表」などが用いられている場合に特に顕著であるが、基本的には〈資料分析で用いられるような論理的分析力・思考力=医師に必要な資質〉と考え、そうした資質の持ち主(およびその思考過程を他者に対して論理的に説明できる能力の持ち主)を大学の生徒として手に入れたいという思惑の表れであると言える。

 これまで金沢医科大学については「小論文の配点の高さの割には内容が薄い」という印象であったが、大学側は「小論文の質を上げる」ことでこのギャップを解消しようとしたのだと推察できる。

 よって志望者はこうした点を念頭に置いて、事前にある程度の過去問演習を行い、経験を積んでいくことが必要であると思われる。特に要約は一夜漬けでは難しいので、早目にやっておくことをお勧めする。場合によっては、担任の先生などが「英・数・理」ばかりに重点を置かせようとすることもあるかもしれないが、1次試験合格から2次試験までの間は10日しかない。今の金沢医科大学の小論文は10日で何とかなるほど甘くはない。金沢医科大学を本命視している生徒は早いうちから地道に小論文をやっておいた方がいいと思う。


【再掲】:「要約」とは?

 「要約」とは何だろうか。私の考える条件を以下に挙げると、
 

 1️⃣:課題文の〈縮小版〉である。自分の頭でまとめ直すのではなく、筆者の言葉を使って〈再構成〉するものである。
 2⃣: したがって「筆者は課題文の中で」「~と筆者は述べている・考えている」といった記述は不要である。
 3⃣:課題文を知らない人間が要約を見た(聞いた)だけで話の内容を理解できるように書いたものが良い要約である。
 4⃣ :テーマ、抽象的表記(主張・理由)がメインで、具体例は「抽象化」なしに要約に入れないようにする。もちろん、話の流れに沿って、因果関係を崩さないように書くことが大事である。
 
 といった感じになる。

  新聞や雑誌の書評などで「あらすじ」が書かれることがあるが、言ってみればあれが「要約」なのである。最初は要約を書こうと思っても、ほとんどうまくは書けないだろう。「要約する」という意識を持って文章を読み、自分なりに書いて、その妥当性を学校や塾、予備校の先生に確認してもらう作業は必須である。先生と仲の悪い人は、友人に「要約」だけを見てもらって(あるいは聞いてもらって)、それだけで文章の内容が理解できるか試してみるのもよい。やり方はいろいろあるのである。

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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