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金沢医科大学医学部小論文について

 以前は非常に出来の良い資料分析型の小論文を課していたが、或る年を境に突然「小論文」をやめ、「要約」を要求するようになった。原因として考えられるのは出題者の退官、転出である。作れる人がいなくなれば、問題は作れない。それだけのことだと思う。それとは別に、「要約」は採点者にとって、大変明確に点数をつけやすい、というメリットがある。要約の際に押さえるべきポイントというのは、だいたい決まっている。そうしたポイントをきちんと論理的に(因果関係を踏まえて)まとめているかどうかは、見れば大体判ってしまう。「このポイントについて触れられていないから減点」「触れるべきではないポイントを入れているから減点」「因果関係が押さえられていない、話の流れに沿っていないから減点」という仕方で、それぞれ○点減点、と決めておけば、あまり悩まずに、しかも客観的に点数を決めることが出来る。ラクと言えばラクなのである。
 一方、書く側にとって「要約」は予想以上に難しい。まずある程度の読解力がなければ、大事な部分とそうでない部分の見分けがつかない。あるいは「要約」そのものを勘違いしていて、「自分の考えたまとめ」を書いてしまっている。
 「要約」とは何だろうか。私の考える条件を以下に挙げると、
 ●課題文の縮小版である。自分の頭でまとめ直すのではなく、筆者の言葉を使って「再構成」するものである。
 ●したがって「筆者は課題文の中で」「~と筆者は述べている・考えている」といった記述は不要である。
 ●課題文を読んだことのない人間が、要約を見ただけで話の内容を理解できるように書いたものが要約である。
 ●テーマ、抽象的表記(主張・理由)がメインで、具体例は「抽象化」なしに要約に入れないようにする。もちろん、話の流れに沿って、因果関係を崩さないように書くことが大事である。
といった感じになる。
 新聞や雑誌の書評などで「あらすじ」が書かれることがあるが、言ってみればあれが「要約」なのである。最初は要約を書こうと思っても、ほとんどうまくは書けないだろう。「要約する」という意識を持って文章を読み、自分なりに書いて、その妥当性を学校や塾、予備校の先生に確認してもらう作業は必須である。先生と仲の悪い人は、友人に「要約」だけを見てもらって(あるいは聞いてもらって)、それだけで文章の内容が理解できるか試してみるのもよい。やり方はいろいろあるのである。
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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