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【小論文解答】:健康長寿社会実現のために

 現在の日本は、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合が27パーセントを超える超高齢社会である。しかしこれらの高齢者がみな最後まで元気なままで寿命を全うすることは、現時点では困難である。現在の平均寿命は男女とも80歳を超えているが、ある程度元気に自立した生活を維持できる健康寿命はいずれも平均寿命より10年ほど少ない。つまり平均的な高齢者は、身体に深刻な問題を抱え医療や介護に継続的に依存したまま、QOLの低下した状態で最後の10年を過ごさなければならない、というのが現状なのである。
 私の祖父は89歳で天寿を全うしたが、最後は11年ほど寝たきりの状態であった。寝たきりになると生活のほぼ全てを他者の管理下に置かれる。それは生命を維持するためには仕方のないことだが、食事から外出、排泄まで自分の思い通りにいかない、というのは想像以上に辛かったのではないか、と私は思う。生活の質を保証するものは「自己決定権」である。自分の意思で自分の行動を決定できないという苦痛は、場合によっては生きている事よりもつらい。そうした思いを抱えて生きる高齢者が一人でも減って欲しいと思う。
 健康長寿社会の実現のためには、若年期・中年期からの健康教育や生活指導が大変重要である。若いうちから暴飲暴食をせず、規則正しい生活を送り、適度な運動を行うことは高齢になった時の生活習慣病の発症確率を大幅に下げる。もちろん、高齢になってからもまめに健康診断や健康指導を受け、リハビリのための運動を継続することで、生活の質は大いに向上する。しかしこうしたことは個人が自己の自覚と責任で全て行えるものではない。医師は他の医療従事者や地域の自治体と連携しつつ、彼らの健康を支え病気を予防するための媒体としての重要な役割を担っているはずである。これからの医師には、そうした自覚を持ってプライマリケアに努めることが求められているのだ、と私は結論付ける。(796字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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