現在の日本では健康寿命と平均寿命との差が10年ほどあり、この期間が「何らかの介護や介助を要する期間」となる。この期間の高齢者は、一人では日常生活を送れなかったり、寝たきりであったりする。つまりQOLが大幅に低下した状態で日々を過ごすのである。
人間が人間らしく生きる条件として「自分の意思で生活を営める」ことは重要である。食べたい時に食べ、行きたい時に行きたい所へ行き、やりたいことをやる。元気な時には当たり前のことだが、平均として考えれば、高齢者はこうしたことができない期間が10年も続いた後に、心も体も衰弱して命の終わりを迎えることになる。それは高齢者にとって幸福な人生とは言い難い。多くの高齢者が最後まで納得のゆく人生を送るためには、健康寿命と平均寿命との差が限りなくゼロに近い状態を実現することが必要なのである。
この問題に対して医療は様々な側面からサポートを行うことができる。例えば予防医学の啓発と推奨、あるいはPTやOTと連携した治療後のリハビリの向上、健康診断の充実などが考えられる。多くの高齢者が最後まで元気に暮らせるように、私も支える側の当事者としての自覚を持って頑張りたいと思う。(495字)
- 関連記事
-
コメント