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【小論文解答】:2016年/昭和大学/医学部/本試験/2月6日分

 「とことん型」の急性期医療は、若年層や壮年期層に必要とされると私は思う。彼らは比較的回復力や体力があり、かつ社会の中で学業や仕事・子育てといった、やらなければならないことがある人々である。彼らは病気が完治し、できるだけ早期に学校や社会に復帰できることを求めており、医療の側もそうしたニーズや体力面も考慮に入れた上で完治や完全回復を目指した治療を行うことが重要となる。問題点としては、こうした治療が侵襲行為や強い薬・副作用といったリスクを伴うものとなりがちであること、それが場合によっては後遺症や死につながる恐れがあることが挙げられる。そうしたリスクを可能な限り軽減するための医療の進歩や技量の向上をいかに実現して行くかが今後の課題となる。
 「まあまあ型」の急性期医療は、高齢者や回復の見込みの少ない層に必要とされると私は思う。彼らは回復力や体力に問題があるため、「とことん型」のような治療を行えば回復よりもリスクが上回り、QOLを著しく損ねたり死に至ったりする可能性が高い。回復よりも維持や共存を目指した治療を行い、地域社会の中で「幸福な人生」を送ってもらうことが重要となる。問題点としては、高齢ゆえに体力の回復が困難だということ、在宅ではきめ細やかな医療活動が行えないということが挙げられる。充実したリハビリと在宅でも健康を維持するための連携のシステムをどのように構築して行くかが今後の課題となる。(598字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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