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【小論文解答】:2016年/愛知医科大学/医学部/本試験/1月29日分

 「戦争と平和」とは相反する概念でありながら、相互に不可分のものであると私は考える。人々は基本的に「平和」であることを望む。しかし自らの「平和」が何らかの圧力によって脅かされる恐れが生じれは、人々は「戦争」という手段でこの状態を解消し、再び「平和」を取り戻そうとする。極論すれば「人は平和を求めるがゆえに戦争を行う」のである。しかも人々は相互に利害を異にする。異なる「平和」のぶつかり合いが「戦争」である。だから「戦争」はいつまで経っても終わらないし、「平和」はいつまでたってもやって来ないのである。しかし私はそうした「平和」のあり方をそろそろ終えるべきだと思う。 
これからの「平和」は「地球・世界」というより大きな視点で考え直さなければならない。地球に住んでいる人々、世界で暮らしている人々全てが穏やかに生きられることを「平和」であると考え、それを実現できる方法をみんなで模索する。もちろん、現実はそれほど甘くはないだろう。しかしそうした「平和」を望み、その価値観を共有する人が増えれば、お互いに知恵を出し合って「平和」を実現する第一歩となる。その時ようやく「戦争」は「平和」から切り離され、「平和」を実現するための手段としての役目を終える。そして「平和」は単に「戦争のない状態」ではなく、もっと豊かな内容を手に入れることになる。そのために私も希望を失わず、知恵の一端を担えるような人生を送りたいと思う。(594字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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