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【小論文解答】:2013年/愛知医科大学/医学部/本試験

 私の中には、非常に悲観的な考え方をする、もう一人の自分が存在する。そして前向きに何かをしようとする時に「どうせやっても無駄だから、諦めればいいじゃないか」と声をかけてくる。私はそのもう一人の自分の言い分も、実はよく分かる。何故なら私は子供の頃から、いろいろ頑張ってみてもうまく行かなかったことが多いからである。勉強についても、人間関係についても、努力が実を結ばなかったり、避けようのないトラブルに巻き込まれたりして、だんだん自分自身の運命に期待しない自分が出来ていったのだ。
 それでも少しずつ自分を前向きに変えてゆこうと思ったのは、これでは何のために生きているのかよく分からない、と思ったからである。諦めたほうがいいと言うもう一人の自分に、どうしても納得できない自分がいて、粘り強く自分なりの試行錯誤を積み重ねてきた。そしてある時、人のために自分が役に立ち、人から評価されることによって自分の生きる意味が生まれることに気がついた。それから、努力することが楽しくなったのである。
 今の自分は、うまくいってもいかなくても、自分の運命を楽しめている。ただ、毎日のこまごまとした気分の落ち込みを見計らって、相変わらずもう一人の自分が顔を出す。そんな時には、「でも今の自分の方が前よりもずっと楽しそうじゃないか」と言って追い返すことにしている。そうしたやり取りすら、いずれはもっと楽しめるようになるだろう。(592字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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