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【小論文解答】:2016年/自治医科大学/医学部/本試験/2

 今日私は1つの不正を犯した。それは1000円の血清を貧しい家族の子どもに注射し、時計を貰う代わりに代金を請求しないという不正である。もちろん、時計には血清に値する価値などなかった。しかし目の前で死に瀕して苦しんでいる子どもを何とか助けたいという情に流され、時計を買うという名目で子どもの血清の費用を肩代わりしたのである。この子どもは私の行為によって命を取り留めるだろう。しかしこのやり方は同様の状況にある他の子どもに対して不平等である。何故なら同じような状況の子どもが4人来れば、私はきっと4人とも血清を打たずに帰してしまうだろうからである。月給が3000円しかない私にとって、自分の生活が成り立たなくなるような選択を行えるわけがない。つまり私は、4人の時にはできない依怙贔屓を、束の間の自己満足のために行ったのだと言える。
 神は私のこの所業を許して下さるだろうか。私には正直分からない。ただ、1人の子どもが助かったという事実、それだけは喜んでもらえるだろうと思う。もっと血清が安くなれば。ジフテリアに罹る子どもが少しでも減ってくれれば。みんなが幸せになれる。そのために私にできることがまだあるはずである。(496字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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