私はこの文章を読んで、この医師の仕事に対するひたむきさにショックを受けた。確かに医師は人の命に関わる重要な仕事であり、その責任感や使命感は他の仕事と比較してもはるかに大きいことは私も理解できるが、ここまで患者の治療や医療の発展のために多くの時間を費やすことなど私にはできない、と正直に言って気後れがした。遊びもせず気晴らしもない状態で何十年もひたすら患者と病気のことばかり考える人生は、並の人では送れない。やはりこの人は特別な人なのだ、とその偉大さに萎縮するしかなかったのである。
一方、なぜこの人はこれほどまでに医療活動に自分の全てを捧げることができるのだろうか、という興味も抱いた。そしてそれは彼の職業意識に関わっているのではないかと私は考えた。自分が全力で医療活動に取り組むことで、患者が健康になったり医療が少しでも発展することで、多くの人が幸せになる。それ以上に医師にとっての幸せはない、ということを彼は確信しているからこそ、彼は自分の医師としての人生を患者のために全うしようとしているのだ。だから一見過酷に見える彼の人生も、彼にとっては幸せなのだ。
私はまだ何もできない医師の卵に過ぎない。しかし彼から私は医師としての大きな「生きる構え」をこの文章をを通して教わった。彼の足元にも及ばないかもしれないが、全力で患者に向き合おうという強い気持ちと勇気を、私はこの文章を読んで与えられた。この気持ちを忘れずに、これからもひたむきに努力を続けていきたい、と私は思う。(630字)
※設問と字数に改変を加えています。
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