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【小論文解答】:2015年/東海大学/医学部/2月11日分

 私がこの受精卵の分割の様子を示した3枚の写真を見て思うことは、「なぜ分割しようとしたのか」ということである。生物として進化してゆくためには、さまざまな外的要因に適応できるための複雑な反応系が必要だったと考えられる。それらをただ1つの細胞でカバーすることは非常に困難であった。だから自己の体を分割し、それぞれが異なる役割を担うことで複雑な反応系を実現し、それらが1つの個体となって生きることで、より環境に適応できるようになったのだと思う。私の体の中にも約37兆個の細胞があり、それぞれが自分の役割を果たしているから、私が私として生きられる。とても不思議な気分である。
 しかし考えてみれば、人間社会もやはり「分業」によって成り立っているという点では「分割」に通じるものがある。1人1人の人間が自分の役割を果たすことで、社会全体が成り立っている。そして私も社会の1個の細胞として他の細胞の恩恵を受けて生きている。医療の現場においても、例えば在宅医療はこうした役割分担と連携によって成り立つものである。私も社会の一員として、生かし生かされ合う関係の中で自分の役割をしっかりと果たして行きたい、という思いを持った。(497字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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