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【小論文解答】:2014年/産業医科大学/医学部/本試験/2

 「人間の知性」は「価値観に基づく選択」を行うことができるが、「機械の知性」は「価値観に基づく選択」を行うことができない、というのが私の考える両者の違いである。例として、自己の体が回復不能の状態に陥った人間と機械との比較を考えてみることにする。
 まず人間の場合は、自己の最期をどのように迎えるかということに対して、様々な選択から自己の価値観に基づいて一つの選択を行うことができる。例えば「最後まで延命治療を続けてもらう」「延命を中止して自宅で最期を迎える」「延命は中止するが病院で最後まで面倒を見てもらう」といった様々な選択の中で、自分の人生の中で培ってきた自己に対する価値観に基づいて一つの選択を行う。その際重視されるのは「自分らしさ」であり、場合によっては合理的ではない判断であっても、その判断は尊重されるべきものとなる。
 一方、AIの場合は、自己の本体が回復不能の状態に陥っても、選択は外部によって指示された情報に従って行われるのみであり、「固有の価値観」を持つことはない。自己の状態を客観的・合理的に判断することはできるが、それに対してどのように対処するかについて機械自体が価値判断に基づいて対処することはできない。だから仮にこれまで一つの行動規範に基づいて作動していたAIであっても、機能停止の際にはそれまでとは全く異なる外部の基準で処理を行うこともありうる。そうした違いが両者にはある、と考える。(595字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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