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【小論文解答】:2012年/日本医科大学/医学部/本試験

 本邦において実現されるべき理想的な医療とは、予防医学を主体としつつ、一病息災や多病息災を実現するための「維持」を目指した医療である、と私は考える。現在本邦では少子高齢化が進み、急激に増加した高齢者の健康を保つための医療費が高騰して国家予算を逼迫させている。こうした現状を踏まえて「経済の現状に即した効率的な医療」を考えるならば、それは採算の取れない医療分野は削減する、ということになる。具体的には患者数の少ない難病者に対する高度で手厚い医療を縮小させたり、人口の少ない地域の医療機関を減少させる、といったネガティブな選択を行うようになるのではないかと私は思う。
 しかし「医学的正義」という観点から考えれば、本邦にいる全ての人々が平等に医療を享受し、健康で幸福な人生を送ることが望ましい。そのためには病気の程度や住んでいる地域によって健康や幸福に格差が生じるような方策は採るべきではない。まずは「予防医学」を積極的に進め、病院で治療を受けなくても健康に暮らせる人々の母数を増やすべきである。その上でこれまでの「完治・回復」のために際限なく医療費を費やす医療のあり方を変え、不可逆的な病気を抱えた高齢者がなるだけ社会の中で元気で暮らせる「維持」のための医療を充実させてゆく必要がある。こうした医療が結果として国家の経済的負担を軽減し、「医療的正義」との両立を実現する。よって理想的な医療であると私は考える。(598字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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