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【小論文解答】:地域医療における「チーム医療」

 地域医療の役割は、プライマリーケアを通して地域の人々の健康と幸福に貢献することである。特に地方において、地域医療は地域住民の命綱となっている。子供を生み育てること、健康で普通に働けること、あるいは持病を抱えながら働くこと、高齢でも元気でいること、最後まで在宅で人生を送り切ること。これらは全て地域住民に全人的・密接に寄り添う充実した医療があって成り立つ。そのためには「チーム医療」の充実が必須である。
 「チーム医療」とは通常、医療関係者が医師を中心としたチームを組むことを意味するが、地域医療ではより広範な人々がチームの成員となる。例えば高齢者の在宅医療においては、介護・福祉関係者・患者の家族・近隣の住民との連携が重要となる。その中で医師は中核としてチームをうまく機能させ、在宅医療を充実させる責任者としての役割を持つ。このような医療を維持するには、医師に細かな配慮と密なコミュニケーション、そして多忙に耐える体力と精神力といった様々な資質が求められる。だが何より必要なのは地域の健康を支える強い気持ちを示すことである。そうしたあり方、生き方が、地域住民が何かあったらすぐにその顔を思い浮かべ、相談してくれるような信頼関係を構築するのである。
 医師が強い意欲を持って率先して動くことでチームの他の成員や地域住民の心を動かし、地域医療を充実させる。地域医療を担う医師には、そうした自覚が必要なのだと私は思う。(597字)
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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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