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【小論文解答】:2015年/昭和大学/医学部/2月7日分

 健康寿命と平均寿命の差が問題となるのは、主としてQOLの側面である。健康寿命から平均寿命までの間が長いということは、その間当事者が肉体的・精神的苦痛を伴う形で人生を過ごすということを意味する。思うように歩けなくなったり寝たきりになり、自立した日常生活が営めなくなると、人生の質は大幅に低下する。食べ物が食べられず、痛みに苛まされることは、当事者に生きる意味を失わせる。そうした人生の苦痛を抱えたまま彼らは9年も13年も生き続けなければならない。これでは本来喜ぶべきことである長寿それ自体が、当事者にとってはただの不幸と絶望になってしまう。彼らが最後までQOLを低下させることなく充実した人生を全うするためには、健康寿命の延長が必須となる。
 健康寿命を延ばすためには、予防医学を徹底し、癌や糖尿病といった不可逆的な病気を引き起こさないよう、生活習慣を改善することが重要である。適度な運動と食事、積極的な人との交わりによって、肉体と精神の健康を維持するためのサポートが、周りの家族や医療関係者、行政も含めた大きなチームで行われることが求められる。また医療技術やリハビリ技術を進歩させ、一旦身体に故障を抱えても速やかに社会に復帰できるためのプログラムをきちんと作り上げることも重要である。こうした予防と回復という二方面からの努力によって、健康寿命と平均寿命を近づけることが必要なのだ、と私は結論付ける。(594字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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