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【小論文解答】:ドクター・ショッピング

(定義)
「ドクター・ショッピング」とは、現代医療の高度化・細分化により、原因の特定できない患者の症状が「不定愁訴」「異常なし」と診断・放置されることに対して、患者自身が納得せず、自分の症状の原因を特定し、少しでも元気に過ごせるようになるために、より良い医療を求めて何ヶ所も医療機関や医者をたずね歩くことをいう。(150字)

(ドクター・ショッピングと全人的医療)
 筆者はドクター・ショッピングの弊害を脱却させるためには「全人的医療」が重要であると主張し、その「全人的医療」を全身的、全科的ではなく、生物学的、社会的、心理的、倫理的、総合的な存在として患者を診ることであると定義している。私も筆者の主張には全面的に賛成であるが、同時にそれは非常に困難なことであるとも思う。なぜならそうした医療が可能となるためには、医師自身の「人間」に対する深い洞察力が必要とされるからである。しかも原因を医学的に証明できないような症状に対して、医師が積極的に介入することが果たして妥当な行為なのか、越権行為ではないか、という問題も生じてくる。
 しかし見方を変えれば、患者が何らかの症状を訴えてくる限り、それを解決するのが医師の務めである、と考えることもできる。患者の身体を取り巻く様々な要因を分析し、そこから治療につながる何らかの手がかりを得ようとする努力が、医師には必要となるのである。そのためには筆者も述べているように、患者を「その人」つまり「固有の人格と人生を持ったかけがえのない存在」として捉え、「その人」の苦しみを何とかして救いたいという強い使命感を持って患者と向き合うことが求められるのだと思う。もちろん、患者の症状の原因が医療行為では対処できないこともあるだろう。しかしそのことに気づき、他分野の専門家につなぐ「触媒」の役割も、これからの医師は担ってゆくのだ、と私は考える。(598字)

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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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