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【小論文解答】:2011年/産業医科大学/医学部/本試験(改)(※2011年北里大学医学部問題文内容を応用して解答を作成)

 この産婦人科医師の問題があると思われる行動は、患者の話を最後まで聞かず、自分の見解を一方的に患者に伝えたことである。乳がんによって亡くなった親友の死の悲しみと、同じく乳がんのリスクを伴う治療を受けている自己自身の死の不安とで追いつめられた患者に対し、医師は即座にそれらの死を「確率論」で語って切って捨てた。それは医師にとっては患者の不安を解消させるために客観的なデータを語ったに過ぎないかもしれないが、患者にとって死の当事者としての親友や自己自身を軽視する態度として映ったため、その産婦人科の医師の本性を「冷たい」と直感的に感じたのである。親友や自己を確率や数としてしか扱わない医師と信頼関係は築けない、と考える患者の態度は当然だと思われる。
 この産婦人科医師には、まず患者の話にきちんと耳を傾け、患者の思いに共感することが必要だった、と私は思う。患者が求めていることは、まず自分の抱えている悲しみや不安への共感だった筈である。患者の目を見てしっかり話を聞き、頷きながら共感の言葉を口にすることが、信頼関係を築く最初のプロセスである。その上で確率の話ではなく、患者が現在受けている治療の中身とその必要性について再度丁寧に説明し、患者の乳がんになる可能性を軽減するために全力でサポートを行う旨を伝える、という形で、当事者の心にきちんと寄り添う形で接することで、良好な関係は保たれたのではないかと私は考える。(597字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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