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【小論文解答】:2010年/岩手医科大学/医学部/本試験(※2013年問題文内容を応用して解答を作成)

 筆者の述べるように、コミュニケーションは信頼関係の成立根拠として非常に重要な役割を果たしていると私は考える。なぜならコミュニケーションは医師が患者を「物語られるいのち」「人生を生きる人」というかけがえのない存在として捉えていることを患者に直接理解してもらえる手段であり、コミュニケーションを通して得られた患者からの信頼が、「生物学的な生命」「身体としての人」としての治療を円滑にすると考えられるからである。
 私たちは一人ひとりが自らの生の当事者であり、その命は固有性を持った一回限りのものとして、その尊厳を尊重される権利を持っている。医師はそのことを十分に理解して、一人ひとりの患者と向き合う必要がある。患者の病気の状態や治療の方針については、患者がそれを自分で理解できなければ、自己自身の適切な人生の選択ができなくなってしまう。専門用語を駆使して患者の病状を説明しようとする医師は、その説明が患者のためになされていないこと、つまりは患者をかけがえのないものとは見なしていないことを、患者自身に表明しているのである。そのような医師に患者がそっぽを向くのは当然である。
 患者が自己の固有性を語る場を、医師が質問によって引き出す。それが医療におけるコミュニケーションの基本である。そして自分の診るかけがえのない患者を本気で心配するなら、自分の休みの日の時のことを他の医師に託すことも自然とできるはずだと私は思う。(596字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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