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【小論文解答】:2009年/産業医科大学/医学部/本試験(改)

 今日、筋道の立ったことを相手にきちんと伝えることが文章だということは、未だに国民の常識としては確立していない、と私は考える。「筋道」とは、論理や因果関係が分かりやすく示されていることを意味するが、私たちは今でも筋道のはっきりしない文章に多く触れ、また筋道の通った文章を書くことを極端に苦手とする。こうした「筋道」に対する馴染みの無さは、30年前も現在もあまり変わっていない、というのが私の印象である。
 一方で、文章に筋道を求める動きも、一部では見られる。インターネットの普及は、人々が文章を通して議論を交わす機会を格段に増加させた。議論の過程で相手に対して筋道の通った意見を求めたり、或いは相手から要求されたりして、筋道に対する意識は高まってきている。また脳死や尊厳死、死刑制度や環境破壊といった深刻な問題に対して、きちんと理解し判断するために、筋道のしっかりした文章を読みたいと考える人も増えている。
 これらを踏まえて考えれば、現在は文章において筋道を重視する過渡期なのだと考えることができる。また文章のみならず、医療の現場で行われているインフォームド・コンセントやEBMといった、患者の健康やQOLの向上に直結した口頭のやりとりでも、筋道を立てて説明することの大切さはますます求められてくるはずである。将来医師として活動する私自身も、これまで以上に筋道を意識した説明や文章作成を心がけていこうと思う。(594字)
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玄武庵

Author:玄武庵
予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)・Z会(実戦模試)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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