(問1)
ゴリラはなわばりを作らず、土地を共有し、お互いにトラブルがないように避け合うことによって互いの生活を尊重しながら各々の生活を確立する高い次元の共存型の社会を形成するが、ニホンザルはなわばりを持ち、隣の群れと相対立しながら自らの集団の生活を守る低い次元の排他的な社会を形成する、という点で両者は異なる。(150字)
(問2)弱肉強食
(問3)
ヒトは種の維持という目的を遂行すると共に個人の生活をも独立した形で充足し、下等動物は個体としての生を子孫を増やすという目的のために全て費やす、という違いはあるものの、どちらも個体の生命を超えて存続する種の生命を維持させるために子孫を増やす行為を行うことを自らの生の目的としている、と筆者は考えている。(150字)
(問4)
個体維持の方に重点をおくような生を営む結果、文明国では「少子化」という弊害が生じることになった、と私は考える。自らの生の価値を過大に認め、社会の中での自己実現を人生の主たる目的にしようとすると、子どもを産み育てるという行為は時間的にも金銭的にも、自らの自己実現を妨げる要因となるため、人は種の維持という選択を放棄する。これにより、文明国では「社会」を維持できるだけの新しい人員を確保できなくなるのだ。
こうした弊害を避け、個体としての生の充実と種の維持を両立させるためには、出産と育児に関して、これまで以上にメリットを感じられるような制度を構築する必要があると私は思う。出産の際の金銭的な支援や育児休暇の充実などは現在でも行われているが、今後は社会全体がこれまで以上に「種の存続」の重要性をきちんと理解し、子育ても自己の生の充実のための大きな要因となる社会になるよう努力すべきである、と私は結論付ける。(398字)
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