地球温暖化は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスにより、地表の熱が大気中にとどまり続けることによって生じる。最近の二酸化炭素の増加の原因は、電力の消費を支える火力発電、その電力を用いたさまざまな製品の作成、化石燃料を用いた自動車等の使用があげられる。これらはいずれも人間の便利で快適な生活を求める心が生み出したものであり、私たちがこうした生活を求め続ける限り、温室効果ガスの排出量は減少しない。
ただ、このまま地球温暖化が進めば、極地にある氷が海中に溶け出し、標高の低い土地の大半は使用不能となる。また、内陸の砂漠化が進み、やはり居住可能な場所は減少する。さらに海流や気流が高温によって変動し、異常気象により快適な居住が保てなくなる。加えて二酸化炭素の異常な増加が空気の組成を変え、生物の生存に関わる大きな問題を引き起こす。人間や他の生物の生命を守るために、温暖化の対策はどうしても必要である。
問題として考えられるのは、生活水準の不平等である。二酸化炭素を多く排出しているのは、文明の利益の大半を享受している先進国である。しかし先進国以外の国々も、先進国同様の豊かな生活を求めている。平等性という観点から考えれば、彼らが豊かな生活を求めることを先進国の事情で止めることはできない。しかしそうした発展を認めてしまえば、温暖化による人間生活の崩壊は避けられない、という困難な問題があるのである。
解決の糸口は私たちの意識と技術にあると私は思う。これまで私たちは、自分たちにとって快適な生活ばかりを追い求めてきたが、これからは現在と未来を生きるすべての人々が幸せに暮らすためにはどのような生活が望ましいかを広い視野で考え、無駄なところがあれば我慢したり、抑制したりすることが大切である。また少しでも二酸化炭素を排出せずに、現在に近い生活を維持できる技術を開発してゆく必要がある、と私は結論付ける。(790字)
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