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【小論文解答】:『これまでの人生でのチャレンジについて』

 私がこれまでの人生でチャレンジしたことは、部活動で九州大会に出場しようとしたことである。高校に入って何か部活動に入ろうとしていた時に、吹奏楽の圧倒的な音の迫力に魅了され、私もそうした音を奏でてみたいと考えて、吹奏楽部に入部した。先輩からバリトンサックスを渡され、吹いてみようとしたが、最初はまったく音が出なかった。大きくて艶のある音を出すには、体力と筋力、それから安定的に息を供給する肺活量が必要であることがわかり、それからいい音を出すために全力で体を鍛えた。だんだんいい音が出るようになり、合奏に参加するようになったが、今度は回りの楽器の音と調和しない、という問題が生じた。その時はまだ自分のパートをきちんと演奏するのに精一杯で、周りの楽器とのバランスを考える余裕がなかったのである。しかし吹奏楽は集団プレーであり、それぞれのパートが調和してはじめて気持ちの良い「音楽」が成り立つ。自分なりにどうすれば調和するのかを試行錯誤するとともに、他の部員仲間に意見を求めたり、録音して自分の音を聞き直ししたりしながら練習を重ねた。目標は県大会金賞、そして九州大会出場だった。だが1年、2年と結果は県大会銀賞で、九州大会出場は叶わなかった。
 3年の夏、最後の県大会に臨んだ。3年になると部活と受験勉強の両立が大変になる。先輩たちがどんなに大変な思いをして部活に出ていたかが良くわかった。パートリーダーとしてサックスのパートの指導を担うようになり、教える側の難しさも理解できるようになった。また、部員全体のレベルも上がり、今年はきっと金賞を取れるだろうと確信して県大会に臨んだ。しかし結果はまたもや銀賞で、九州大会に出場する夢は叶わなかったのである。だが発表を聞いた瞬間、やるべきことはやったという満足感が私の心を満たした。チャレンジは、努力の大切さと仲間の大切さと豊かな思い出を私に残してくれたのである。(795字)

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玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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