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【小論文解答】:2010年/久留米大学/医学部/推薦試験

 地域医療は、これからますます地域住民の健康と生活の質の向上を支える基軸として、重要さを増してくる、と私は考える。地域が地域として存続するためには、住民の健康を保障する機関が存在することが前提となる。地域医療の担い手である医師には、その責任が求められていると同時に、その地域の生命と健康を守っているという手ごたえを直接感じられるという点で、医師のやり甲斐にも繋がってくると思う。したがって、地域医療の未来はそれに携わる医師自身の手で明るくなってゆくものである、と私は考えている。
 地域医療の今後の課題としては、多種多様な年代の人々にどう対応するかということと、高齢者の生活の質をどう維持するかということの2点が挙げられる。前者については、現在進んでいる総合医、かかりつけ医としての役割を、地域の開業医や勤務医が今以上に担ってゆくことが求められる。自己の専門とする科のみならず、プライマリーケアに必要とされる広範な科についてのある程度の高度な知識と診断能力を持った医師が地域に存在することで、地域の人々は安心してその地域で生活を送ることが出来る。また予防医学等の啓発活動を医師が積極的に行うことで、地域住民の今以上の健康維持が期待できる。後者については、高齢者の増加とともにこれまでの病院での治療活動から、往診を中心とした在宅医療の充実へと、医療内容の変化が促進されることが求められる。一病息災・多病息災をモットーに、福祉関係者や地域住民と大きな「チーム」を組んで高齢者の人生を支えてゆくことで、高齢者は安心して地域の中で自分の人生を充実させることが出来るだろう。
 これから医師を目指す人々は、私を含めてこうした地域医療の未来の姿をきちんと見据えて、そのために自分に何が出来るかをきちんと考えて、努力と研鑽を積んでゆくことが求められる。地域住民の喜びが自分の人生の喜びとなるために、私も頑張ってゆきたい。(795字)
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プロフィール

玄武庵

Author:玄武庵
日本の片隅で予備校講師をしながら旺文社(入試問題正解)・教学社(赤本)等で作問・解答・解説等の仕事をしています。小論文は自分の頭で考えて書くことが一番大事ですが、その際の参考にしてもらえるとうれしいです。頑張ってください。(※コンテンツはすべて無料です)

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